思想や概念を批評読みで読み取る

アメリカ式読書法』の6回目、第6章について紹介します。

第6章 批評読みのできる読者になる    『アメリカ式読書法』 ロン フライ著

「批評読み」では、綿密な吟味と評価を通じて、思想や考え方や概念を読み取ることが読書の目的となります。

批評読みにおいては、筆者の主張を正確につかみ、その価値と真実性とを判定し、読者自身の経験に照らし合わせることが求められます。とばし読みとは違い、読者は最大限の集中力を発揮する必要があります。

批評読みをするには、次のステップを踏みます。

  1. 読書に向けて下準備をする。
  2. 読む前にざっと下読みをする。
  3. 分析的に読む。
  4. 要旨をまとめる。

批評読みの下準備として心構えるころは以下に示す点です。

  • 読む目的を明確にする。
  • 注意を集中する。
  • あなたにとって最適な読書環境を見つける。
  • 読むスピードの速い遅いを気にしない。
  • 読み終わるのに数時間かかりそうな場合は、読みやすい分量に分割する。

次の段階では、全体像である筆者の主張や論旨をつかみます。そのためには第4章で紹介した「とばし読み」を行いざっと下読みを行います。

下読みにより内容の骨格がつかめたら、実際に読む作業を始めます。細部や推論、思考のつながりをたどりながら、つかんだ骨格に肉付けをしていきます。直接的に言及されている内容は何であるかを読み取り、文脈から推察すべき内容は何であるかを解釈します。

批評読みの最終段階は、要旨をまとめることです。内容を簡潔明瞭に要約することにより、読んだ内容を記憶し再現しやすくします。要旨をまとめる方法として、一つはアウトラインをまとめる方法です。もう一つは図表化を行う方法です。この図表化は、多様な考えや概念を相互関係を視覚的にとらえるのに役立ちます。要旨をまとめる第二段階は、学んだ内容を短い概要にまとめることです。概要にまとめる作業の目的は、本文から読み取った内容を自分の言葉で記すことです。

以上までが第6章についてです。