文学作品を読む

アメリカ式読書法』の7回目、第7章について紹介します。

第7章 文学作品を読む    『アメリカ式読書法』 ロン フライ著

文学作品は物語のなかに読者を引き込みます。読者の想像力こそ一番の優れものです。想像力は読者を究極の冒険へと誘います。読者は想像力という乗り物に乗り数限りない人生をめぐります。創造的な文章は、シリアスであったり、ユーモラスであったり、荘厳であったり、あるいはそれらをすべて備えていたりします。表現も精妙で、微妙な文章はたやすく理解できるとは限りません。

物語や小説のフィクションとは、ほとんどが虚構の世界を創造する試みです。まずは発端がありそこで登場人物や背景が紹介され、やがて対立あるいは展開が生じて物語を結末へと押し進めます。

文学の授業では、こうした物語の発端、展開、結末をすべて分析することになりますが、そこではいろいろな文学用語が使われます。以下にいくつかの文学用語を紹介します。

  • プロット:物語の筋で、発端から結末に至る過程。
  • 性格描写:ヒーロー、ヒロイン、悪者といった、物語の主要登場人物の性格付け。
  • テーマ:物語に一貫するメッセージまたは主題。
  • 背景:物語が展開する時と場所。
  • 視点:物語の語り手が誰かを示すもの。

一般に、フィクションを読むのに何か月もかけるものではありません。数週間でも長すぎます。作者の描くプロット、登場人物、テーマを十分に味わうため、できるだけ速く一気に読むように努めるべきです。登場人物の性格や葛藤をとらえ、著者のメッセージやテーマをつかむ上でも、一定のスピードで読み進めることが必要です。

途中で投げ出さずに最後まで読み通したいのなら、いつまでにどれだけ読むという目標を設定するといいでしょう。規則的な読書計画を立てないと、往々にして読書が断続的になり、読んだ部分を一つの物語につなぎ合わせることができなくなります。いったん読み始めたら読み終えるまで毎日読むことが肝心です。

フィクションを読むコツを以下に紹介します。

  • プロットをすっきりとつかみ、その進行をたえず意識する。
  • ときどき一息入れて、筋の展開や人物の相互関係を確かめる。
  • 読み方を変えてみる。
  • 物語のテーマは何か、著者の伝えたいメッセージは何かを自問する。

以上までが第7章についてです。